自動化システム構成の提案

自動化システム構成の提案

複数のシステム構成で実現できる自動化
御社の現場に最適解をご提案します
5つのシステム構成で実現できる自動化の例
  1. ロボットアーム
  2. PLC
  3. センサー
  4. 表示灯
  5. 操作ボタン
「PLC」って何?

PLC(プログラマブルロジックコントローラ)は、産業用ロボットや自動化システムの「頭脳」のような役割を果たす装置です。

たとえば、部品を運ぶコンベアが止まるタイミングや、ロボットアームが製品を掴んで動かす動作などを、プログラムに基づいて指示します。

PLCの主な役割
制御する PLCは、工場内の機械や設備が正しい順序で動くように制御します。たとえば、部品を運ぶコンベアが止まるタイミングや、ロボットアームが製品を掴んで動かす動作などを、プログラムに基づいて指示します。
信号を受け取る

センサーやスイッチなどから「今どんな状況か」を教える信号を受け取ります。

たとえば、「箱がここに来た」「部品が正しい位置にある」といった情報です。

判断する

受け取った情報を元に、「次に何をするべきか」を判断します。

プログラムに従って「部品が来たから、ロボットアームを動かそう」といった指令を出します。

指令を送る

機械や装置に具体的な指令を送ります。

たとえば、「モーターを回転させる」「ロボットアームを動かす」といったアクションを起こさせます。

 
具体例で考える
例:工場でボトルに飲み物を詰めるラインを想像してください。PLCは以下のように働きます。
センサーから信号を受け取る 「ボトルがコンベアの指定位置に来ました」という信号を受け取ります。
判断する プログラムされた通り、「飲み物を注ぐ機械を動かす」と判断します。
機械を動かす 飲み物を注ぐ機械に指令を送り、ボトルに適切な量を注ぎます。
次の動作を指示する 注ぎ終わったら、次の工程(キャップを閉める機械)にボトルを送るため、コンベアを動かします。
 

Case1.部品のピッキングと仕分けシステム

概要:センサーが対象物の位置や種類を検知し、ロボットアームが部品をピッキングして指定された場所に仕分けします。

システム構成の役割
ロボットアーム 部品のピッキングと移動を担当
PLC センサーの信号を受けてロボットアームを制御
センサー 部品の有無や位置を検出
表示灯 作業状態(正常/異常)を知らせる
操作ボタン システムの開始/停止を手動で操作

Case2.簡易的な製品検査ライン

概要:センサーで製品の外観や配置を検査し、不良品があればロボットアームが取り除きます。

システム構成の役割
ロボットアーム 不良品の排除や再配置を実施
PLC センサーの検知結果に応じてロボットアームを指示
センサー 製品の形状、色、欠陥を検出
表示灯 異常時に点灯し、オペレータに通知
操作ボタン 検査ラインの開始/停止や異常解除の操作

Case3.部品組立ラインの一部自動化

概要:センサーで部品の配置を確認し、ロボットアームが部品を組み立てる作業を行います。

システム構成の役割
ロボットアーム 部品の掴み取り・組立作業
PLC センサーとロボットアームを連携し、組立工程を管理
センサー 部品の位置や完成度を確認
表示灯 組立工程が完了したか、異常が発生したかを表示
操作ボタン 手動で作業開始/停止の操作を行う

Case4.搬送システム(ワーク移動)

概要:製品や部品をロボットアームが搬送し、目的地まで運びます。

システム構成の役割
ロボットアーム 部品や製品を掴み、移動させる
PLC 移動の順序や速度を管理・制御
センサー 移動先や物の位置を検出
表示灯 搬送完了や異常停止を知らせる
操作ボタン 手動で操作を実施する場合に使用

Case5.梱包工程の自動化

概要:製品をセンサーで検知し、ロボットアームが梱包箱に製品を詰める自動梱包工程です。

システム構成の役割
ロボットアーム 製品を掴み取り、箱に配置する作業を担当
PLC 作業フローを制御し、全体の工程を管理
センサー 製品の有無、配置を検出
表示灯 梱包完了やトラブルを通知
操作ボタン 手動でスタート・ストップ操作を実施
7つのシステム構成で実現できる自動化の例
  1. ロボットアーム
  2. PLC
  3. ラダープログラム
  4. ロボット用プログラム
  5. センサー
  6. タッチパネル
  7. コンベヤ

「ラダープログラム」と「ロボットプログラム」

1. ラダープログラムの役割

ラダープログラムは、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)と呼ばれる制御装置の動きを指示するプログラムです。工場の設備や機械を制御するために、電気回路のような形で作られています。

具体的な役割
設備全体の制御 ロボットだけでなく、コンベヤーやセンサー、スイッチなど、他の装置も含めた全体の動きを管理します。
信号の管理 センサーからの入力信号(例えば「部品が到着した」など)を受け取り、適切な動作指示(例えば「ロボットを動かす」など)を出します。
タイミング調整 全体の動作を正しい順序で実行するための時間管理や、装置間の同期をとります。

⇒例えるなら

ラダープログラムは、「工場全体を指揮する指揮者」のような役割です。どの機械がいつ動くかを調整し、全体の流れをスムーズにします。

 

2. ロボット用プログラムの役割

ロボット用プログラムは、産業用ロボット自体の動きを指示する専用のプログラムです。ロボットが「どこに」「どのように動くか」を細かく設定します。

具体的な役割
ロボットの動作指示 アームをどの方向に動かすか、どの速度で動くか、何をつかむかなどの具体的な動きを制御します。
タスク実行 例えば「部品がつかんで別の場所に置く」、「溶接を行う」といった作業内容をプログラムに落とし込みます。

⇒例えるなら

ロボット用プログラムは、「ロボットに渡す作業指示書」のようなものです。具体的な作業内容を指示します。

 

3. ラダープログラムとロボット用プログラムの関係性

この2つのプログラムは、お互いに連携して自動化システム全体を動かすという関係にあります。

どう連携しているのか?
センサーが部品の到着を検知 この情報はPLCに送られ、ラダープログラムがその信号を処理します。
ラダープログラムがロボットに指示を送る 「部品を拾え」という指令をロボット用プログラムに伝えます。
ロボットが作業を実行 ロボット用プログラムが受け取った指示に基づき、具体的な動きを行います(部品をつかみ、移動するなど)。
作業完了の信号を返す ロボットが作業を終えると、その情報がラダープログラムに送られます。
次の動作を指示 ラダープログラムが次の動きを開始します(例: コンベヤーを動かす)。
 
まとめ
・ラダープログラムは工場全体の動きを管理する「指揮者」。
・ロボット用プログラムはロボットの動きを具体的に制御する「作業指示書」。
これらはお互いに信号をやり取りしながら、工場の自動化システムを動かしています。
 

Case1.部品のピッキングおよび配置

概要:コンベヤ上の部品や製品をロボットアームでピッキングし、別の場所や設備に正確に配置する作業。

動作の流れ
センサー 部品の有無や位置を検出
PLC コンベヤとセンサーからの信号を処理しロボットアームを制御
ロボットアーム 部品をピッキングし、指定位置へ移動して配置
タッチパネル 作業モードや動作状況を監視・設定

Case2.組立工程の自動化

概要:複数の部品を自動で組み立てる作業をロボットが行う。

動作の流れ
センサー 部品供給の確認や位置測定
PLCラダープログラム 各部品の供給と動作のタイミング制御
ロボット用プログラム ロボットアームが部品を組合わせ、所定の形状に組立
タッチパネル 組立状況やエラー発生時の対応を表示

Case3.検査工程の自動化

概要:製品の形状や位置、欠陥をセンサーで検査し、不良品を排除するシステム

動作の流れ
センサー 製品の寸法、形状、色、状態を確認
PLC センサーのデータを元に合否判定を行い、合否信号を送出
ロボットアーム 不良品を取り除き、良品を次工程へ移動
タッチパネル 検査結果や統計データを表示し、作業者が確認

Case4.パレタイジングの自動化

概要:完成品や部品をパレットに自動で整列・積み付ける作業

動作の流れ
センサー コンベヤ上の製品をセンサーで検知
PLCラダープログラム ロボットアームの動作とコンベヤのタイミングを制御
ロボットアーム 製品を掴み、パレット上に指定のパターンで配置
タッチパネル 積み付けパターンや進捗状況を監視・設定

Case5.部品供給システムの自動化

概要:必要な部品や製品をコンベヤを使ってロボットに供給し、生産工程を進めるシステム

動作の流れ
センサー 部品の供給状態を監視し、部品切れを検知
PLC コンベヤを動作させ、部品を供給するタイミングを制御
ロボットアーム 供給された部品を取り出し、次工程へ移動
タッチパネル 部品供給状態を確認し、異常時に警告を表示
11のシステム構成で実現できる自動化の例
  1. ロボットアーム
  2. PLC
  3. PLCラダープログラム
  4. ロボット用プログラム
  5. センサー
  6. タッチパネル
  7. コンベヤ
  8. エンコーダー
  9. 監視カメラ
  10. 生産管理DX
  11. ビジョンセンサー
各構成要素の役割と自動化機能
ロボットアーム 搬送、組立、仕分け、ピッキング作業を自動化
ビジョンセンサーやコンベヤトラッキングと連動し、動的な作業が可能
PLC 製造ライン全体の制御を行う中核システム
コンベヤやセンサー、ロボットアームを統合管理し、シームレスな動作を実現

PLCラダー

プログラム

制御プログラムにより、各機器の動作を論理的に制御

例:「センサーが物体を検知 → コンベヤ停止 → ロボットアームが動作」

ロボット用

プログラム

ロボットアームの軌道や動作シーケンスをプログラム
生産タスクに合わせて、柔軟に動作を最適化
センサー 用途:物体検知、位置決め、品質確認
製品の有無や搬送位置の特定、異常検知などに活用
タッチパネル 操作員用。システム操作、管理、データ表示、手動介入を可能にする
コンベヤ 製品や部品の自動搬送。PLCやエンコーダと連動し、ライン全体の流れを制御
エンコーダー
(コンベヤトラッキング)
コンベヤ上の製品位置や速度をリアルタイムで把握
ロボットアームと連携し、動的なピッキングや組立が可能
監視カメラ
(工程管理・記録)
用途:ライン監視、異常時の記録・分析
製造ラインの状態を録画し、トラブル発生時の原因追跡や改善に利用
生産管理DX 生産データを収集・分析し、稼働率や不良率をリアルタイムで把握
生産計画の最適化やボトルネックの特定、予知保全に活用
ビジョンセンサー 製品の位置確認、外観検査、品質判定
ロボットと連携し、正確なピッキングや不良品の排除が可能
 
エンコーダーは、産業用ロボットの「位置」や「動き」を正確に把握するために使われる重要な部品です

簡単に言うと、ロボットの「」と「センサー」のような役割を果たします。

エンコーダーの役割
ロボットの位置を測る エンコーダーは、ロボットの関節やアームが「今どこにいるか」を正確に測ります。例えば、ロボットのアームが10度動いたのか、100mm前に進んだのかを数字で教えてくれる装置です。
動きの制御を助ける ロボットが目標の位置や速度で動けるように、エンコーダーの情報を使ってモーターを制御します。これによって、滑らかで正確な動きが可能になります。
安全性を確保する もしロボットが予定外の動きをした場合、エンコーダーが異常を検知してシステムに知らせ、安全に動きを止めることができます。
 

どのように働くのか?

エンコーダーは、主に2つのタイプがあります。
回転エンコーダー モーターや関節の回転角度を測るもの。例)モーターが1回転する間に何度動いたかを細かく検出します。
リニアエンコーダー アームやスライダーなど、直線的な動きを測るもの。例)ロボットのアームが100mm動いたかどうかを確認します。

これらの情報を使って、ロボットが指示通りに動いているかを常にチェックし、必要に応じて修正します。

 

具体的な例で考える

ロボットがある部品を「決まった場所」に持っていく作業をするとします

  • step
    指示

    アームを100mm進める

  • step
    エンコーダーの測定

    アームが100mm進んだことを確認

  • step
    修正

    もし99mmしか進んでいなければ、1mmだけ追加で動かす

  • step
    結果

    部品を正確に目的地に届ける

エンコーダーは、ロボットの正確な動きや安全性を支える「」と「センサー」の役割を担っています。

 

エンコーダーと他の部品との関係

エンコーダーは、以下の部品と密接に関係しています
モーター モーターが動くときの回転数や角度を測ります。
コントローラー エンコーダーからの情報をもとに、動きを調整します。
センサー類 他のセンサー(圧力センサーや温度センサー)と協力して全体の動きを安全に最適化します。
「ビジョンセンサー」と「ロボット」の関係性
1. ビジョンセンサーの役割
「ビジョンセンサー」とは、産業用ロボットが「目」の役割を持つためのセンサーです
簡単に言うと、物体を「見て」認識し、正確に動作するために必要な情報を提供するデバイスです
物体の認識 ビジョンセンサーはカメラのように物体を撮影し、その画像をもとに形や色、大きさなどを判断します例)ロボットが部品をピックアップする際、部品がどこにあるのか、どんな向きで置かれているかをビジョンセンサーが認識します
位置や角度の計測 部品が正確な位置にあるかどうかを確認したり、向きや角度を計算することができますこれにより、ロボットは正しい位置で作業を行えます
品質検査 生産ラインで部品や製品が規定通りに製造されているかを検査します例)傷があるか、サイズが正しいかなどをチェックできます
動的な補正 ベルトコンベアのように物が動いている場合でも、ロボットが動いている物体を追尾しながら作業できるようになります
 
2. 産業用ロボットとの関係性
ビジョンセンサーはロボットと一体となって機能します。具体的には次のような流れで連携します
データ取得 ビジョンセンサーが対象物を撮影し、データを収集します
情報処理 センサーが収集した画像データを解析し、物体の位置や形状、色などの情報をロボット制御装置(コントローラー)に送ります
ロボットの動作指令 ロボットはその情報をもとに、どの位置に移動し、どんな動きをするかを計算して動作を実行します
 
わかりやすい例
たとえば、自動車工場でドアの部品を組み立てるロボットがあるとします。
・部品がランダムな場所に置かれている場合でも、ビジョンセンサーはその部品を「見て」、どの位置にあるかをロボットに伝えます。
・ロボットはその情報をもとに正確に部品をつかみ、所定の場所に取り付けることができます。
メリット
柔軟性の向上 部品の位置が毎回変わっても対応可能です
作業精度の向上 ミリ単位の誤差でも調整できます
効率化 作業スピードを保ちながら、品質も担保できます

ビジョンセンサーは、ロボットが「物を認識し、判断して行動する」能力を与える重要な装置です

11のシステム構成で出来る具体的な自動化の例
  1. ロボットアーム
  2. PLC
  3. PLCラダープログラム
  4. ロボット用プログラム
  5. センサー
  6. タッチパネル
  7. コンベヤ
  8. エンコーダー
  9. 監視カメラ
  10. 生産管理DX
  11. ビジョンセンサー

具体的な自動化の例

コンベヤを活用したピッキング・組立システム
1.コンベヤ上で製品を搬送
2.エンコーダが位置を特定し、ロボットアームが動的にピッキング
3.カメラ(ビジョンセンサー機能)で製品の形状や品質を確認
4.PLCが全体のシーケンスを制御

 

外観検査・品質管理システム
1.カメラ+カメラコントローラで製品外観を撮影
2.画像データを解析し、不良品を検出
3.ロボットアームが不良品を排除し、良品のみ次工程へ搬送
4.データはPC+生産管理DX機能で記録・分析

 

生産ライン監視とデータ分析
1.PC+監視カメラでラインの状態を録画し、異常を記録
2.PLC経由で稼働データをPCに送信し、DX機能で効率を分析
3.タッチパネルから生産状況や異常の確認が可能

 

トラッキング機能を活用した精密作業
1.コンベヤトラッキング機能で製品の位置情報を把握
2.ロボットアームが動的に位置を追従し、精密な組立・搬送を行う
 
機器 メーカー 製品名
ロボットアーム FANUC CRX-10iA
DENSO WAVE LPH-040A1
YASKAWA MOTOMAN-GP7
PLC 三菱電機 MELSEC iQ-Rシリーズ
オムロン CJ2シリーズ
シーメンス SIMATIC S7-1200
PLCラダープログラム 三菱電機 GX Works3
オムロン CX-Programmer
シーメンス TIA Portal
ロボット用プログラム FANUC ROBOGUIDE
DENSO WAVE WINCAPS 3
YASKAWA MOTOMAN-INFORM 3
センサー オムロン E2Zシリーズ(光電センサー)
キーエンス PZ-Gシリーズ(光電センサー)
SICK W4Sシリーズ(光電センサー)
機器 メーカー 製品名
タッチパネル 三菱電機 GOT2000シリーズ
オムロン NBシリーズ
キーエンス VT5シリーズ
コンベヤ マルヤス機械 ミニシリーズ
オークラ輸送機 ベルトコンベヤシリーズ
エンコーダー オムロン E6C3シリーズ
HEIDENHAIN RONシリーズ
SICK DFS60シリーズ
PC+監視カメラ(ドライブレコーダー機能) Panasonic i-PROシリーズ
HIKVISION D2-2CDシリーズ
AXIS Communications P32シリーズ

PC+データ活用(ソフト)

(生産管理DX機能)

マイクロソフト Microsoft Power BI(生産データ分析)
シーメンス Siemence MindSphere(クラウドIoT)
キーエンス KEYENCE IoTシステム
ビジョンセンサー KEYENCE IV2シリーズ
オムロン FQ2シリーズ
COGNEX In-Sight 7000シリーズ